私たちは、認知症・アルツハイマー病を中心に神経変性疾患等の発症メカニズムの解明と、そこから見いだす予防、治療、発症遅延のための創薬研究を行っています。
各種疾患をいかにモデル化してシンプルな実験系に落とし込めるかが重要な要素です。試験管レベルから細胞レベル、動物レベルと階層的段階をいかに蓋然性高く繋げていくか、そして各段階においてどれだけ正確な実験結果を得ることができるかに帰属します。疾患という異常事態を理解するためには、最終的に臨床の現場へ橋渡しするためにも、常に客観的にデータを解釈し、再現性高く解析を進める必要があります。そこには、素直さ、誠実さ、厳しさが要求されます。
創薬研究を進めるためには、総合科学的な視点が必要で、ひとつの研究室だけではなく、製薬企業を含め広く共同研究を展開する必要があります。医薬理工連携をはじめとした多くの連携のもとに研究者同士のコミュニケーションを円滑に進めることも重要です。現在世界中に共同研究の輪が広がっています。
超高齢社会の世界的問題である認知症・アルツハイマー病は、根本治療薬がなく、認可されている薬剤は対症療法のみです。病気の発症機構や病態形成にかかる分子機構が未だに明らかになっていないため、創薬標的が明らかになっていないことが大きな原因です。これを解決するためには、アルツハイマー病の病理(老人斑と神経原線維変化)・病態を完全に再現できるモデル動物を用いて、病態形成に関与する分子・細胞を明らかにすることが重要です。齊藤が理化学研究所・西道研究室で開発した次世代型アルツハイマー病モデルマウスは、既存のモデルマウスの問題点を克服したより良い研究リソースです。これらモデル動物を駆使し研究を進めています。
特に、2024年度に研究代表者として採択された
齊藤 貴志 Takashi SAITO
所属部署:脳神経科学研究所・認知症科学分野
職名:教授
趣味:山歩き(全く山に行けてない・・・)
2019年7月1日付けで新設されました認知症科学分野の教授を拝命し着任致しました。
認知症・アルツハイマー病を中心に神経変性疾患等の発症メカニズムの解明、そこから見いだす予防、治療、発症遅延のための創薬研究を行っています。
講義や講演を聞いて研究内容や疾患研究や、基礎研究に興味を持った学生・大学院生、ポスドクの皆さんは是非ご連絡ください。一緒に研究を進めるメンバーを随時募集しています!
saito-t[at]med.nagoya-cu.ac.jp(メールを送る際は、[at]を@に変えてください)
1989年4月~1992年3月 | 熊本県立宇土高等学校 |
1992年4月~1996年3月 | 熊本大学・薬学部・薬科学科(1996年 薬剤師免許取得) |
1996年4月~1998年3月 | 熊本大学・大学院薬学研究科・衛生薬学専攻(薬学修士) |
1998年4月~2002年3月 | 大阪大学・大学院医学系研究科・生体制御医学専攻(医学博士) |
2002年4月~2011年10月 | 理化学研究所・脳科学総合研究センター 神経蛋白制御研究チーム 研究員 |
2011年11月~2018年3月 | 同所属・副チームリーダー |
2012年10月~2016年3月 | 科学技術振興機構 さきがけ研究者(慢性炎症領域)兼任 |
2018年4月~2019年6月 | 改組に伴い理化学研究所・脳神経科学研究センター 神経老化制御研究チーム・副チームリーダー |
2019年7月~現在 | 名古屋市立大学・大学院医学研究科 脳神経科学研究所・認知症科学分野・教授 |
2020年4月~現在 | 名古屋大学・環境医学研究所・客員教授 兼任 |
2024年10月~現在 | 日本認知症学会・理事 |
2008年12月 | 第15回武田科学振興財団シンポジウム・優秀発表賞 「The biological effect of R278I-presenilin-1 mutation on γ-secretase activity and amyloid pathology」 |
2012年10月29日 | 日本生化学会・奨励賞 「アミロイドβ43によるアルツハイマー病の病態発症・促進機構に関する研究」 |
2013年4月8日 | 文部科学大臣表彰・若手科学者賞 「アルツハイマー病の病態発症・促進機構に関する研究」 |
2015年10月3日 | 日本認知症学会・学会賞 「アルツハイマー病研究に資するモデルマウスの開発と応用」 |
2022年11月 | Highly Cited Researcher 2022 (Clarivate社)に選出 |
2023年11月 | Highly Cited Researcher 2023 (Clarivate社)に選出 |
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