Domain-specific mutations of a transforming growth factor (TGF)-β1 latency-associated peptide cause Camurati-Engelmann disease because of the formation of a constitutively active form of TGF-β1. Journal of Biological Chemistry 276, 11469-11472 (2001) 齊藤が大阪大学での博士課程の時に手掛けた研究です。諸事情から手掛けることになったこの研究が博士論文となりました。人生どこでどうなるか本当に分からないなと思いました。稀少遺伝疾患であるCamurati-Engelmann病は、幼少期に骨の過成長を起こすため痛みが慢性的に続く疾患です。TGF-β1の潜在型フォームに原因遺伝子変異があることを同定していて、この変異の機能解析を行った論文です。それまで治療に用いられていたステロイド性抗炎症薬デキサメタゾンが、どのように奏功しているかも明らかにし、臨床の先生から問い合わせがあったことが強烈に印象に残っています。齊藤が初めて臨床への橋渡しの重要性を意識したきっかけになりました。